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タグで日記を手打ちするのが面倒になった、 ダメな感じの人が書く、 タメにならない日記。
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久々に根詰めて妄想創作したので首と腰が痛いです(肩はデフォ
でもしばらくあった頭痛は治りました。
これは完全に会社行きたくない病ですね!!^^b

ついにリーダーに手を出しました←

-----------

キュ、キュ、――タンッ、タタッ、


小気味良く的確なリズムを刻む足元を、ストレッチをしながらぼんやりと眺めていた。
部屋に響く音は多くない。彼はiPodで音を聞きながら踊っているようだった。
もう既に、しばらく踊っているのか(少なくとも、俺より先に来ていた)、額には汗が見える。

――ッタン、


ぴたり。

止まったのは動きだけじゃなくて、多分彼の集中力的なものも止まった。
少しの間、鏡の向こうを見つめてから、ふっと息を吐き出す。
そのとき、一緒に小さく自分の肩が下りたのに気付いた。
知らないうちに息を止めていたようだった。

「おはよ。」
「おはよう、早いね。」
「あぁ、俺今日上がり早いから。」
「ふーん。」

シャツで汗を拭いながら、彼は床に座り込んで、鞄からポカリスエットを取り出すと、一口口に含む。
どうやら休憩するつもりらしい。
若干目のやり場に困って、俺は前屈をしながら目を閉じる。

(はし君もそうだけど……いいよなぁ、)

彼の筋肉のついた二の腕とか、首筋とかが、うっすらと汗ばんでいる。
身長の差もあるけど、――やっぱり普通にかっこいい。
俺もあれくらいあったらいいのに。

「でも、割と来るの早いよね、北くん。」
「仕事ですから。」
「…いつも真面目ならいいのに。」
「え、だから俺仕事中ちょーマジメじゃん。」
「………。」
「えーしろ君ひどーい。」

けらけらと笑って、タオルで風を送る彼を横目に見ながら、俺は自分のストレッチを終わらせた。
立ち上がって、軽く身体を動かしておく。

「ねぇ、今日誰が来るんだっけ。」
「…あとはし君と、ゆき君と…りん君だったかな。」
「あー、あと30分で揃う気がしねぇ。」
「確かに。……音かけていい?」
「うん。」

俺はリモコンを操作してラジカセのスイッチを入れた。
鳴りだした音楽は、今度番組収録するときに踊る新曲。
さっき彼が踊っていたのも同じものだ。
鏡の前に立った自分を見る。……やたらと居心地が悪かったけど、ステップを踏み出した。

―タン、ッタ、キュッ、

ダンスは少し苦手だった。思ったタイミングに身体がなかなか動かないのだ。
一度出来るようになれば問題ないのだけど、習得するまでに時間がかかる。
だからこうして、少しでも早めに来て練習をすることが多いのだけど。

(…べつに、見られてるわけじゃないだろうけど…ああもう、)

どうしても右後ろが気になってしまう。そわそわする。
人前で練習するのは未だに恥ずかしいのに。
しかも彼の目の前で。さっきまで彼が立っていた場所で。
全く集中できていないお陰で、すっかり音ズレしてしまった俺は、諦めて腕を下ろした。

(いけない、こんなんじゃ。)


「しろ君、一緒やろうか。」
「…え?」

振り向くと、思ったより彼が傍に立っていて驚いた。
彼はぐるりと首を回しながら、流れっぱなしになっていた音楽を止める。

「振りはもう出来てんだし、あとはおっつくだけでしょ。」
「…お、おっつくって…。」
「こーゆーのはさ、他人とあわせてやるのが一番早いの。」

いくよー、とリモコンの再生ボタンを押すと、彼は俺の一歩前に立った。
しっかり合わせてごらん、集中してね。
大分問答無用である。やがてラジカセからイントロが流れ出した。
鏡越しに目があった、と思った途端振りが始まる。

その一曲は、まるで糸に吊られたように、ぴったりと彼に合わせることができた……気がした。





「――うん、さっきより大分いいんじゃん?」
「まぁ……ありがと。」

さっきのあれと比べれば大抵のものは良いような気もしたが、まぁそこは黙っておく。

「しろ君はさぁ、踊ってるときなに考えてる?」
「え?うーん……なんだろ。割と真っ白かも、頭の中。」
「はは、しろ君だけに?…俺はね、」

「ずっと『俺を見て!』って思ってるよ。」

本気かよ、と思わず思ったが、そう話す彼はわりとまともな雰囲気だった。
普段はおちゃらけてあまり感じないけれど、やっぱり年長者なのだ。
黙って続きを促してみる。

「だって俺たち9人もいるんだよ?9人同時に見てるお客さんなんてまずいないし、
 俺大体後ろの方にいるし、でもダンサーじゃなくてアイドルな訳だし。」
「…そうだね。」
「別に俺らの中だけの話じゃないしね。アイドルなんていっぱいいるんだから。」

「みんながどうか知らないけど、大事だと思うんだよねぇ、そういうの。」





「…北くん、今からでいいからリーダーしない?」
「えー、やだよ。キャラじゃないじゃん。」
「少なくとも俺より向いてるよ。」
「ないない。」

もうまったくどうしてこの大人は、そう思ったときに鞄の中のケータイが振動してるのに気付く。
正直いって既にあまりいい予感はしていなかったのだが、それでもケータイを開いてメールを確認した。
…思わず肩を落として頭とお腹が痛くなるのはなんかもうどうしようもない。

「…誰から?」
「……寝坊した、迷った、部屋番間違ったどこだっけ、だって…。」
「わあお、3人ともか。」
「あと5分か…間に合えばいいけど。」
「ほら、俺には全然メール入ってないもん。人望の差だね。」
「……はぁ。ゆき君迎えに行ってくる。」
「いってらっしゃい、リーダー。」

絶対人望の差なんかじゃないと思いながら、俺は足早に部屋を出た。
電話帳から迷ったというゆき君の番号を探す。
ああでも、先にりん君に部屋番を教えた方がいいのかもしれない。
はし君はなんだかんだギリギリに着くことが多いから、多分問題ないはずだ。



今更何を言ってもただの我儘だ。
自分がどう思っていようが、みんなは俺をリーダーと呼ぶ。
彼だってその一人なだけだ。

(最初は、振りまわされたっていい。)

(そのうち、ぜったい、)


(俺が振りまわす!)


彼が言っていたのは、たぶん、そういうことだ。



end.


------------

・リーダー結構男前だと思ってる(けどかわいい
・ゆき君迷子説はなかのひと的な意味です←
・はし君寝坊説はなかのh(ry
・割と北氏がまともに見えるのが大問題←
・仕事中は真面目ですよ。大人ですから。笑
・奴の一番ダメなとこはプライベートのだらしなさでs

思っていたより随分真面目な話になってしまったので
次こそはきたしろな絡みあるの書きたい←
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