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タグで日記を手打ちするのが面倒になった、 ダメな感じの人が書く、 タメにならない日記。
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某様方の某イラストを見て物凄い萌えた挙句の品(…)。
思わず奇声を上げてしまって友人から驚かれました←
きゅんきゅんきゅん

ばたばたと、聞こえる音は布のはためき。
屋上に吹き抜ける風は、地面にいるときよりも力強く、
ビル風よりも自由に吹きまわる。
ヘッドホンのコードさえも曲線を描き、見上げる雲はぐんぐん流れていく。
どこかいたいほどの風が、心地いい。

ギ、ギギィ、

重い鉄の音は、ドアがひらく音。
勿論風のいたずらなどではない、奥に見える人影。
その柔らかい髪を早速風に遊ばれながら、前髪を掻き上げる。
キザなその動作すら様になるのだから、全く容姿というのは不公平なものである。
蒼い髪の彼が来る、ここまでは予想通り。

「…らだ、ひやすぞ。」

風に流される彼の声。
聞こえないフリをして、またオレは遠くを見る。
少しだけ風当たりが変わったのは、彼が隣に立った所為。
風上にいるのは故意なのだろうか、無意識なフェミニストか。
長い前髪が風に遊ばれるあまり、普段は見えない額が全開だった。

「なぁ、」

「今、何聞いてるか分かる?」

いつもの、蒼いヘッドホンを見せ付けるようにして、彼の顔は見ないまま。
空気でわかる、というのはこの強風では言わないのかもしれない、
彼はオレの言葉に耳を貸した。
そうだな、そうこぼすまで掛かったのは3秒くらい。
オレは彼の言葉に耳を澄ます。

「風の音、じゃないのか?」

びゅう、と強い風が、顔面をさらっていった。


なんでわかるんだよ、とふて腐れたようにオレは言う。
聞こえたのだろう、彼はその唇の端を上げて笑った。
悔しいから腕を引っ張って、ふと顔を伏せる。

「…なんだ?」

微かに香る、整髪料のような、香水のような彼の匂い。
この風に奪われてしまう前に、捕まえておきたかった。

「べつに。」

帰ろうぜ、そう言って彼の手を引く。
少し暖かく感じたのは、確かに身体が冷えていたのかもしれない。
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